人に誠実な関心を寄せる

カーネギーの人を動かすの一節です。人は基本的に他人に関心がなく、自分に関心を寄せてくれる他人に関心を持つということ、そして、他人に誠実な関心を寄せることで他人が自分に関心を寄せ、関係性が深まり、人生が切り拓かれるというものです。おくほが買った本ではなく奥さんが買った本です。幾多の本一斉処分を潜り抜け、いまだ本棚に並んでいます。熱心に読んだことはないのですが、処分を検討するたびに開き、その度に考えさせられる部分があります。

今回は人に誠実な関心を寄せるということがおくほに刺さりました。今までは人は人、自分は自分と、人との間に境界線を引きすぎていたような気がします。また、それが生きづらさの一因になっているのではとも思います。今まで生きる意味は何なのか、とひたすら自分の中に答えを求めてきた気がします。しかし、全く見つかりません。向上心を持って英語や資格試験に挑戦し、TOEIC870点や中小企業診断士合格、税理士試験財務諸表論合格など、それなりの結果を出してきましたし、これらは仕事には多少は役に立っています。そうではあるものの、目標を持って勉強している間や合格した瞬間は確かに充実感はありますが、達成した後、別に人生が劇的に変わるわけでもなく、むしろ目標がなくなって虚無感すら感じることもあります。今はサラリーマン人生をどう生きるべきか全く見失っています。

そんな中、この一節を読んでハッと気づかされました。生きる意味というのは自分の中にあるわけではなく、人との関係性のなかにあり、関係性を深めるには、人に誠実な関心を寄せることだと。それに人との関係性を深め、協力関係を作ることで困った時に助け合うことができ、孤独でいるよりはるかに生きやすくなると思います。仕事だって、ビジネスライクにプロフェッショナルにやるだけでは味気なさすぎて面白くない、信頼関係のあるチームでやるから面白いし、不安も減ることにようやく気付きました。これは家族でも同様で、お互いがお互いの役割を果たしていればそれでよいということではなく、お互いのことに関心を寄せて、関係性を深めることが必要なのです。

正直まったくできていませんでした。これに気づいて、今までビジネスライク過ぎた同僚との関係性を深めるべく、少しパーソナルな会話に踏み込んだり話しかける回数を増やしました。はじめて1週間くらいですが、自分のホームが広がり余裕感が出てきて、憂鬱な気持ちが減少しました。人生に行き詰ったミッドライフクライシスにかなり効果がある方法だと思います。