会社の値段①

事業承継M&A企業価値評価について、日々考えていることを書いてみます。

 

企業価値評価手法として代表的な手法は以下3つ

時価純資産法

②類似会社比較法

③DCF法

 

①がストックベースの評価、②・③が利益ベースの評価となります。

その中で事業承継M&Aでよく使われるのは①時価純資産法ですが、問題となるのが、①と②・③の評価に乖離がある場合です。

たとえば、製造業などで過去は儲かっていったため内部留保が厚いが、足元の利益水準が低下している場合には、①のストックベースの評価は高く、②・③の利益ベースの評価は低くなります。

売主の立場からすれば当然にストックベースの評価を下限に考えますが、買主からすれば事業承継M&Aでは通常は利益の5~6倍が上限となるでしょう。

この場合には、売主あてに案件開始前の初期的な企業価値評価の提案時に、①のストックベースの価格ではなく②・③の利益ベースの価格を下限として刷り込んでいくことが必要だと考えています。何事も交渉のバッファーが必要だからです。また、DD後の評価下落可能性のある要素についても説明しておいたほうが良いでしょう。